患者さんの主訴の多くは「痛みをなくして欲しい」というものです。
ですので私達治療者も何とか痛みをなくそうと努力します。
すると・・・
痛みを完璧になくそうとするあまり「治療をやり過ぎる」傾向がでてきます!
例えば、ある程度痛みが和らいできたところで患者さんに「いかがですか?」と質問したとします。
その答えが「まだ少し痛みがあります」とか「ほかの場所が痛くなってきました」などという返答が返ってくることがままあります。
もちろんもう少し治療したほうがいいケースもあるのですが、この辺でやめた方がいいケースも実は多いのです。
その見極めとしてはオーリングテストなどのテストでOKの反応がでていること、それとこれは経験からですが患者さんの性格です。
不安感が強い方はどうしても、恐怖からもっともっとと要求が激しくなります。
それに応じてこちらももっともっとと治療をしていくと、折角いい塩梅で落ち着いていたバランスを崩してしまうことが多いのです。
これは今までの私の苦い経験から申し上げています。
癒道整体の井村先生も「施術は決してやり過ぎてはいけない。6割くらいでやめるのがちょうどいい。」とよくおっしゃていましたがその意味がよく分かります。
完璧を目指そうとすると患者さん自身の治そうとする自己治癒力を妨げてしまうのです。
先日、ある患者さんが詰め物をした歯が痛むということで来院され、アレルセラピーで調整をしましたが、「まだ少し痛い」と納得いかないようでした。
そこで「反応は消えてますから1日様子を見ましょう。それでも痛かったらまた治療します」といって終わりにしました。
すると翌日連絡があり「朝になったらすっかり痛みが消えていました」と喜んでおられました。
その時に、治療の止め時を決断するのはいかに大事で難しいかということを改めて痛感しました。